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第3回Sサロン「ホネホネロック~骨格標本からみた生物の魅力~」

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第3回サイエンスサロンが6月16日に3号館2階学習ルームにて行われました。今回のテーマは「ホネホネロック~骨格標本からみた生物の魅力~」です。実験を伴う企画のため機材の都合により、36名に絞ってサロンが展開されました。話題提供者はSSクラス2年の服部さんです。

最初に、「標本とは?」、「骨格標本とは?」との問いに対してスライドを使いながら、標本とは、研究用・教育用に保存される生物体や鉱物であり、骨格のみを取り出して作成された標本を骨格標本であるとの説明がありました。

「では、何故骨格標本が必要とされるのでしょうか?」

この問いに対して、キリン研究の第一人者である郡司芽久先生の著書「キリン解剖記」を例に説明がありました。郡司先生は、キリンが長い脚や首を利用して高い木の先の葉を食べているところや地面の水たまりから水を飲んでいるところを観察し、キリンの首の可動域が他の動物に比べてとても広いことに疑問をもち研究を進めました。その骨格標本から首を上下する際に動きの支点として機能する第七頸椎と、本来なら動くことのない第一胸椎が連動することで、広い可動域を得ることが分かったそうです。生態を調査し疑問を見つける(観察)、直接動かす筋肉がないことに気づく(解剖)、標本観察で骨格の接続の特異性に気づく(骨格標本の観察)により解明されたことから、「骨格標本からしかわからないことがある」とまとめました。

次に、市販の手羽先から自作した骨格標本を使って、ニワトリの前肢を組み立てる実験を行いました。10個以上の骨のパーツをグループで話し合いながら組み立てました。ヒントは「人間の手と鳥の手は似ている」です。グループ内では、疑問に思った点などとことん議論し、想像力を膨らませて真剣に考えながら楽しんでいました。また、グループ内にとどまらず、他のグループと意見を交換しながらほぼ全員が骨格標本を完成させました。

次回のサイエンスサロンは,7月21日に行われます。2年SSクラスの生徒から問題提起があります。