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第8回土曜サロン

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第8回土曜サロンが1月25日に行われました。今回のテーマは「作って学ぼう!進化の仕組み」です。ここでは、ストローバードを使って自然選択による小進化の仕組みを体験するという実験を交えたサロン学習が展開されました。
 担当の増井先生からストローバードという架空生物の説明がありました。
・北アフリカの乾燥地域に生息する。
・オアシス間の長い距離を飛翔できる個体のみが,繁殖するのに十分な期間,生存できる。
・雌1個体は雄との交尾を経て,生涯で1回産卵し,3個の卵を産む。なお,この実験で登場する個体はすべて雌とする。
次に、二人一組となり、指示書通りにストローバードを作成し、以下の要領で飛行実験とサイコロを使った突然変異実験を行いました。
≪B. F1世代の作成と飛行実験≫
・親個体が3個の卵(配偶子)をつくる減数分裂の際,突然変異が起きる。次の手順に従って,3個の卵それぞれに起こる突然変異の表現型への効果を決定し,飛行実験を行う。
Step A サイコロを投げて,表1を参考に変化する遺伝子(塩基)の位置を決める。
Step B もう一度サイコロを投げて,表1を参考にどのように塩基配列が置換するかを決める。
Step C 結果シートに置換後の塩基配列を記録する。
Step D 配付された突然変異表を見て,突然変異の表現型への影響を決定する。
 ※Step A~Cの結果,塩基に変化がない場合は表現型も変化しない。この場合,今回注目している形質の発現にかかわる遺伝子には突然変異が起こらなかったと考える。
Step E 3個体のF1を作成し,飛行実験を行う。さきほどと同様に,飛行実験は2度ずつ行い、飛行距離の最大値を結果シートに記入する。3個体のうち最も飛行距離の長かった個体のDNA全体をマーカーで囲む。
Step F F3個体の飛行距離の平均値を計算し,結果シートに記入する。
 多くの生徒たちは、親世代からF   と進化するにつれて、飛行距離が伸び生き延びることができると予想していたが、実験値では必ずしもそうならないことを実感したようである。
 増井先生は、「生物は突然変異を繰り返しながら生き残るために進化を続けるが、必ずしもプラス方向で進化するわけではない。この実験結果のように進化や退化を繰り返しながら進化をし続けている。非常に長いスパンで考えると猿から類人猿そして現代人と言うような進化の過程が説明できる。」との説明がありました。
 四方先生からも象やキリンを例に、「単に強い生物や大きい生物が生き残ってきている訳ではない。様々な要因の最適化をとると、人間のサイズになると言われている。」との説明がありました。
 これで、今年度の土曜サロンは終了しました。各講師の先生方、四方先生1年間ご苦労様でした。