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第6回土曜サロン

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第6回土曜サロンが10月20日に行われました。今回のテーマは「確率とシミュレーション ~EXCELを用いて~」です。

まずは担当の吉岡先生から、シミュレーションとは何だろう?と問いかけがありました。ここでは、次のように定義づけられました。「実際に行うことが困難な事象や、実行する前に結果を予測し分析をするために行われる実験のこと」。
 さらに、シミュレーションで何がわかるか?の説明がありました。一例として、自然現象や社会現象のメカニズムが解明できること。24時間後の天気予報の的中率は現在80%程度となっており、大気や海洋の様々なデータを物理法則に則って精密にモデル化し、大規模なシミュレーションを行うことによって予報を行っている。実際に、これによって防災や減災の助けになっているとのことでした。
次に、パソコンを使って実際にシミュレーションを行いました。課題は、「1枚のコインを1回投げるとき、表の出る確率」と「1枚のコインを2回投げるとき、表が1回出る確率」です。ともに理論値は1/2です。実際に10回の試行を行ってみると、1/2に近いもののグループ毎にバラついた値が出ました。そこで、事前に用意されたEXCELファイルにランダムな整数値を出す関数を打ち込み、1,000回程度のシミュレーションを行ったところ、300回から400回を超えたところから、安定的に確率は1/2に近づきました。さらに、コイン1枚を4回投げたときの、表の出る回数の確率もEXCELを使ってシミュレーションをしました。授業で習った理論値に近づくためには、やはり数百回のデータが必要でした。このシミュレーションを通じて、サンプル数を増やすことで、サンプル平均は真の平均値に確率収束するという「大数の法則」が実感できました。
 最後のまとめは四方先生です。今回のように、多くのデータを使ってその結果をグラフで描くと正規分布になる場合が多い。君たちの成績も現在では絶対評価が主流となっているが、一昔前は相対評価が主流であった。上位7%の成績が評定5というように成績がつけられていた。また、テレビの視聴率の算出方法であるが、全世帯に対して調査が行われている訳ではない。理論的には、ある一定のサンプル数でほぼ正確な値が出るはずでありその考え応用している。(関東地区では900世帯、名古屋、関西地区では600世帯であるらしい)。これから、君たちも課題研究などでデータを扱う場合、統計処理の基礎を知ることで意味のある結果を導き出すことができる、とまとめられました。
 次回の第7回土曜サロンは、11月10日(土)14:00からG・土曜合同サロン「インドから西へと流れる学問」というテーマで行われます。