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第5回土曜サロン

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テーマ「身近な物理現象と数学~最短経路で進むとは~」
9月24日の今年度第5回の土曜サロンが開催されました。今回も、保護者と中学生の参加があり、活気ある授業展開でした。前半は、今年度から数学を担当している長木先生により、15m四方の正方形の砂地の一つの交点から対角線上にある交点まで移動する時の最短経路と時速2mで移動する場合の時間を求めよという問から始まりました。
 この問題は全員が、対角線を引くことでできました。次に、同じ面積の正方形の上5mが砂地で下10mが海の場合の移動の最短経路と海は時速1mで移動するとして所要時間を求めよという問題になると、縁を移動するとか、砂地の距離を多くして海を少なくするとか、色々の意見が出ました。講師の長木先生からは、後の問題では異なる時速を同じにする工夫をすることで前の問題同様に直線で解決できると解説があり、解答に合わせて光の屈折という物理現象がこの問題につながること、更に、スネルの法則とメタマテリアルという屈折率がマイナスになる物質が紹介され、「透明マント」というドラえもんの道具のようなものが実用可能になるかもしれないと紹介されました。
 後半は、四方先生にバトンタッチされ、スネルの法則の計算から始まり、人は目に見えないものを見ようとして、レントゲンやCTという医療機器が発明されたこと、これらの発明の陰には数学者の力が働いたことが紹介され、当初は精度の低い機械であったが、制度を高めたのは日本人数学者の計算力の貢献度のおかげであることの説明がありました。最後には、今回の最短経路の話の根底には、自然が最小値や最大値に帰趨する性質があり、今年度の土曜サロンでもこのことは紹介してあるが覚えているかとの質問があり、4月のテーマである「猫はこたつで丸くなる」が原点であることを改めて紹介して、どんなものでもぎゅうぎゅう詰めにすると丸の形になることを筆箱に鉛筆を詰めた場合などを例にして話されました。最後に、自然は最小や最大が好きだが、このことは微分を学習すると微分して0になることを示せばことは足りると締めくくって、サロンが終了しました。
次回は,10月22日に行われます。テーマ「音楽と雑音は何が違うのか」