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第2回 土曜サロン

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第2回土曜サロンが5月19日、3号館2階学習ルームにて行われました。今回は本校生徒43名に加えて、前回同様,保護者の方々や他校の生徒の参加も多く見られ、50名を超えるサロンとなりました。

 今回のテーマは「身の回りのこんなものが光るの?」です。土曜サロンでは久々の実験を伴う講座です。

 まず初めに、今回のテーマの担当者である化学の山口教諭から、「身の回りの蛍光物質を実際に見てみよう」という問いかけがあり、事前に用意されたUV-LED375-nanoと、①はちみつ、②オロナミンC、③パインキャンディ、④エタノールを浸したブッロコリー、⑤水で煮出したブッロッコリー、⑥水に溶かした洗剤が与えられました。「UVライトで照らした場合、何色に光るか?何故その色に光ったかを班ごとで考えてごらん」との指示により、生徒たちは思い思いに実験を行いました。時間が経つにつれて各班の議論が高まってきたところで意見を集約しました。①青白色(フラボノイド類)、②うす黄色(ビタミンB2)、③黄色(ビタミンB2)、④赤色(クロロフィル)、⑤青白色(アントシアニン)、⑥白色(蛍光漂白剤)と確認することができました。発色の違いは、含まれる成分により光る色が特性付けられていると言った意見が出てきました。

 次に、「蛍光とは?」について説明がありました。本来なら大学で学習すべき内容ではあるがと前置きしたうえで、「物質は常に安定した状態(基底状態)にあろうとする。そこに紫外線(エネルギー)を加えることで励起状態となる。これが、安定しした状態に戻るために光を出す。」との説明がありました。図を使った説明に多くの生徒が納得したようでした。さらに、使い古しのハガキからバーコードを浮き上がらせたり、紙幣の刻印を照らすなど「蛍光に関する事象が生活に密接に関係している」と説明し、化学の授業はそれらの現象を理解し生活を豊かにするうえで大切であるとまとめ、四方先生にバトンタッチをしました。

 四方先生からは、化学の歴史について、 火の発見から始まり冶金術・錬金術としての化学の時代からボイルの法則や質量保存の法則で代表する近代化学へと学問としての化学の変遷の説明がありました。また、産業革命時代にモーブ(アニリン染料)の発見により、繊維業界(産業界)を起点として発展を遂げ、さらにベンゼン環の発見からアスピリンを代表とする薬の分野を通して化学の飛躍的な進歩があったと説明しながらの山口教諭とのセッションがとても印象的でした。今では、私たちの生活に無くてはならない学問分野として存在していることが実感させられました。

最後に、がん細胞にくっつく蛍光物質(テロメスキャン)により、がん細胞の発見を容易にする方法が実用化に近づいており、今回のこのテーマは時代を先取りしている興味深いテーマであったと締めくくりました。

次回の第3回土曜サロンは、6月16日(土)14:00から、「3×4=4×3 何故?」というテーマで行われます。