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第1回Sサロン「あなたにとって数学とは?」

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令和4年度第1回サイエンスサロンが4月21日に行われました。新型コロナ感染防止のため3号館2階学習ルームを会場として40名程度で行う予定でしたが、想定以上の参加申込があり急遽視聴覚教室も会場に加え、学習ルームからのオンライン配信で対応しました。SSクラスの運営スタッフの生徒を加え、総勢89名の生徒が参加しました。
今回のテーマは「あなたにとって数学とは?~こんなに便利な指数・対数~」です。


まず、今回の担当教員の梁川先生よりサイエンスサロンの説明がありました。平成18年に本校がスーパーサイエンスハイスクールに採択されて以来、土曜サロンとして16年間続いている本校独自の取組です。四方義啓名古屋大学名誉教授の協力のもと、日常生活や自然現象が如何に数学的であるかを参加者全員が議論を通して学習すると言ったサロン的学習が展開されてきました。今回はその導入講座となります。


突然、参加者全員に「あなたにとって数学とは?」との問いがありました。近くの生徒同士が意見交換をしました。数学とは問題解決のためのツールである。数学は私に取って神秘的で魅力的なものである。大学入試には必要な科目である。など様々な意見が出されました。そのやりとりから、得意・不得意に関わらず数学が好きな生徒が多かった印象がありました。その後、数学は紀元前1800年ごろの古代バビロニアから現在まで数千年に渡って受け継がれてきた文化遺産であり、物理学との融合を経て現代文明の基礎となる学問であるとの説明がありました。中でも、アインシュタインの言葉「経験から独立した思考の産物である数学が、どうしてこんなにも見事に現実の事物に適合するのであろうか」が印象的でした。


さらに、「毎日分裂して2倍に増える細胞がある。1個の細胞から始めたとき、1年後(365日)には約何個に増えているか?」の問いから、2365などの非常に大きな数や水素原子の原子核の大きさなど非常に小さな数を表現するのに指数がとても便利であることが分かりました。さらに、その計算の際には対数を取ることで、掛け算を足し算に、割り算を引き算に変換し簡略化できるとの説明がありました。対数の性質を利用した便利な計算機「計算尺」の紹介もありました。宇宙飛行士が不測の事態に備え手計算で処理するために宇宙に持っていくというスーパー計算機です。最後に、音量の単位(db)、音楽における音階、星の明るさ、地震の規模を示すマグネチュード、酸性・アルカリ性の指標であるPHなどにも対数は使われており、人間の感覚器官は対数的であり、自然科学や経済学の様々な分野で活躍しているとの説明がありました。

次回のサイエンスサロンは,5月19日に行われます。SSクラスの卒業生から問題提起があります。