
2026年10月27日(火)、フィンランドの Viherlaakso Upper Secondary School(ヴィヘルラークソ・アッパー・セカンダリー・スクール) から4名の先生方をお迎えし、2年生国際クラスの生徒たちを対象に特別授業を実施しました。今回の交流は、単にフィンランドの文化や教育制度を知るだけではなく、日本との違いを比較しながら、自分たちの学校生活や学び方を見つめ直すことを目的としたものです。今回の対面授業に先立ち、2回のオンライン交流を実施しており、段階的に理解を深めながら当日を迎えました。
第1回オンライン交流:相手の国を英語の質問で推理!
最初のオンライン交流では、YesかNoで答えられる質問を通して相手がどこの国の先生なのかを当てる「Mystery Session」を実施しました。生徒たちは「北半球にありますか?」「海に面していますか?」「国旗に青色は含まれていますか?」など、英語で質問を重ねながら国を特定していきました。地理的な位置や地形、時差、国旗など、事前に調べた知識を活用しながら、少しずつ候補となる国を絞り込んでいきました。そして、最後に見事「フィンランド!」という答えにたどり着いた瞬間、教室には大きな歓声が上がりました。英語を話すこと自体が目的なのではなく、知りたいことを知るために英語を使う。 そんな自然なコミュニケーションが生まれた、非常に盛り上がる活動となりました。


第2回オンライン交流:日本とフィンランドの学校はどう違う?
2回目のオンライン交流では、別のフィンランドの先生にも参加していただき、日本とフィンランドの教育制度や学校生活について質問する活動を行いました。今回は「日本ではこうだけれど、フィンランドではどうですか?」という比較の視点を大切にしました。生徒たちは、日本の学校生活を紹介しながら、宿題、給食、試験、大学入試、学校行事などについて英語で質問していきました。例えば、フィンランドでは日本より宿題が少ない傾向があることや、高校生まで無料の学校給食が提供されていることなど、日本の生徒たちにとって意外な事実が次々と明らかになりました。一方で、フィンランドにも難しい試験があり、大学進学に向けた試験も存在することがわかりました。生徒たちは、フィンランドの教育について「自由で、試験も少なく、楽そう」というイメージを持ちがちですが、実際には共通する部分も少なくありません。違いに驚き、共通点に納得する。そうした発見を繰り返しながら、フィンランドの教育についての理解が少しずつ深まっていきました。


いよいよ対面交流! フィンランドの学校生活を知る
そして迎えた10月27日。4名の先生方に来校していただき、2限と3限を使って「英語コミュニケーション」の特別授業を実施しました。まずは先生方の自己紹介から始まり、実際の学校の映像や、先生方が用意してくださったスライドを使って、フィンランドの学校生活を詳しく紹介していただきました。特に生徒たちが驚いていたのは、休み時間の過ごし方です。学校の廊下にはビリヤード台が設置されていたり、無料でコーヒーを飲むことができたり、ウェイトトレーニングの器具を利用する生徒がいたりと、日本の高校とは異なる光景が次々と紹介されました。生徒たちは、その自由な学校生活に驚きながらも、熱心にメモを取っていました。写真や映像を通して、これまで漠然としていたフィンランドの学校生活が、より具体的なものとしてイメージできるようになったようです。

今度は日本の学校を紹介! 双方向の交流へ
続いて、生徒たちがグループに分かれ、「日本の学校ならではの特徴」について話し合いました。これまでのオンライン交流でフィンランドの教育について多くのことを学んできたため、日本との違いが以前よりも明確になっています。「日本の学校にあって、フィンランドにはないものは何だろう?」「私たちにとって当たり前のことでも、フィンランドの先生にとっては珍しいことがあるのでは?」こうした視点から、書道の授業や部活動など、さまざまな意見が出されました。グループで話し合っている間、4名の先生方は教室内を回り、生徒たちに英語で質問を投げかけてくださいました。「それはどういう活動なの?」「なぜ日本ではそうするの?」といった問いに、生徒たちも英語で説明しようとします。その後、各グループの代表者が話し合った内容を黒板に書き出し、それぞれについてフィンランドの先生方からフィードバックをいただきました。日本との違いについて説明していただくだけでなく、実際のフィンランドの試験問題を見せてもらったり、リスニング試験の音声を聞かせてもらったりする場面もありました。オンラインでも多くのことを学べましたが、その場で質問し、反応を受け取り、さらに対話を深められることは、対面交流ならではの大きな魅力だと感じました。


フィンランドの高校生になって時間割を作ってみよう!
今回の授業で特に印象的だったのが、フィンランドの高校のカリキュラムを使って、自分自身の時間割を作成する活動です。フィンランドの高校では選択科目が充実しており、生徒自身が興味や進路に応じて履修する科目を選択する仕組みがあります。履修の組み合わせによって、登校する時間帯なども異なる場合があります。そこで、実際のフィンランドの高校のカリキュラムを参考にしながら、「自分がフィンランドの高校生だったら、どのような1週間を過ごすか」を考えてみました。生徒たちは、さまざまな科目の中から自分の興味に合わせて授業を選び、楽しそうに時間割を組み立てていました。日本では、学校があらかじめ決めた時間割に従って授業を受けることが一般的です。そのため、自分で履修する科目を選び、時間割まで考えられるという仕組みは、生徒たちにとって非常に魅力的だったようです。しかし、活動が進むにつれて、単に好きな科目を選べばよいわけではないことも見えてきました。自分は将来何をしたいのか。そのためには、今どのような科目を学ぶ必要があるのか。フィンランドの先生方からは、自分自身の学びに責任を持つことの大切さについてもお話しいただきました。その後、生徒たちはグループ内で、自分が作成した時間割と、その科目を選んだ理由を共有しました。ここでも4名の先生方が各グループを回り、生徒の選択について質問したり、フィードバックをしたりしてくださいました。単にフィンランドの教育制度を知るだけでなく、実際にその仕組みを体験することで、自由に選択できることの魅力と難しさの両方を感じられる活動になりました。


「自由」であることと「楽」であることの区別が重要
今回の交流を通して、特に考えさせられたのが「自由」と「責任」の関係です。生徒たちは、フィンランドの高校で自分の興味や将来に合わせて科目や時間割を選べる自由さに、大きな魅力を感じていました。しかし、自由であることは、決して楽であることと同じではありません。 選択肢が多いということは、それだけ自分で考え、判断し、その結果に責任を持つ必要があるということも学びました。自分の将来を見据えて進む道を選び、困難に直面しても努力を続ける力が求められます。時には選択を見直しながらも、自分の目標に向かって主体的に歩み続けることが大切なのだと思います。自由とは、単に制約が少ないことではなく、自ら責任を引き受けることでもある。 そして、その自由を生かすためには、自分で決めたことをやり抜く力が欠かせません。今回の交流が、フィンランドの教育の自由さに憧れるだけでなく、その裏側にある責任や主体性について考え、「自分はどのように学び、どのように生きていきたいのか」 を見つめ直すきっかけになっていれば嬉しく思います。